中国 生活ブログ by 【中国遼寧省/瀋陽ガイド】
瀋陽冬の定番「暖気・ヌアンチー(nuǎn qì)」
「暖気・ヌアンチー(nuǎn qì)」は、冬場に氷点下となる中国東北部では、生活に欠かせない存在です。
地中に配管で熱水供給パイプが張り巡らされ、熱源会社より各建物に温水を供給して各建物の室内暖房に充てており、建物の各部屋・廊下・階段などに設置されています。
これは、中国のスチーム暖房で、触っても火傷をするほどではないですが、中は常にお湯が循環しており、「暖気・ヌアンチー(nuǎn qì)」の側はいつもポカポカです。
少し高級なマンションであれば、床暖房と併設され室内は25度以上で逆に熱かったりする事もあるようです。
最近の住宅では、同じように温水が床下を循環する床暖房だけで、この「暖気・ヌアンチー(nuǎn qì)」が無い住宅も増えてきているようですが、熱源会社から各建物に温水を供給するシステムですので、同様です。
「暖気・ヌアンチー(nuǎn qì)」のシステムは、地域ごとに温水管を張り巡らし、各家庭に安い料金で暖房を提供し、ボイラー施設「鍋炉・グゥォルー(guō lú)」の高い煙突から白い煙と湯気がもうもうと立ち上ります。
「鍋炉・グゥォルー(guō lú)」の原料は石炭が主流ですので、近年騒がれている、PM2.5等の大気汚染が心配とされています。
最近では、都心のマンション群での小さな熱供給炉は廃止されています。
しかし「暖気・ヌアンチー(nuǎn qì)」があるお陰で、中国東北地方の氷点下20℃を下回る厳しい冬を、暖かく過ごすことが出来ます。
「暖気・ヌアンチー(nuǎn qì)」は自然な暖かさで、室温が16℃以上になるように条例で定められており、標準に達しない場合、熱供給機関は規定により室温が16℃になるように補償する事が決められています。
「暖気・ヌアンチー(nuǎn qì)」の暖房システムは、毎年11月より稼動を始め、翌年の3月31日まで稼働します。
マンションやビル等では、全て集中供熱になっており温度の調節等は出来ません。
「暖気・ヌアンチー(nuǎn qì)」の暖房費の計算は、住宅面積の大きさによって1㎡数元単位で徴収されます。
この「暖気・ヌアンチー(nuǎn qì)」の為、瀋陽の冬場は常に空気が乾燥し、湿度は20%~30%位まで下がりますので、室内では加湿器が必要となります。