老龍口酒博物館(ろうろんこうさけはくぶつかん)
瀋陽のお酒の博物館『老龍口酒博物館』は、瀋陽で現存の最も古い酒造工場の一つで、1662年に創業して350年の歴史を持っています。
創業当時、清朝の前期の都である盛京龍城(瀋陽)の東口に位置していたため、「老龍口」の名称になりました。
この老龍口の工場の内部には、古い井戸がありました。
この井戸は長白山の余脈になっていて、地元の神聖なる神の水と言われました。
この水は、清らかに澄んでいて、甘くて辛い、お酒の醸造に適している水でした。
醸造したお酒のほとんどは、皇室や軍隊に朝貢(献上)され、「大清貢酒」と褒められていました。
清朝の皇帝たちは、祖先を祭るために盛京(瀋陽)に戻る度に、毎回必ずこの老龍口酒を飲みました。
2002年、瀋陽市政府及び関係部門の協力の下、老龍口会社がスポンサーとなり、中国東北地方で初めての、酒文化博物館「老龍口酒博物館」を建てました。
同年10月9日には正式に観光場所として、国内外の旅行客に向けてこの博物館を開放しました。
この老龍口酒博物館は、清時代の建築方式で建設され、建築面積は1200㎡、駐車場の面積は1000㎡あり、全部で2200㎡になります。
設計は清時代の牌楼と似ており、両側は硬山巻棚建築です。
階面は青瓦、外の壁は青タイル、柱、門、窓などの材料は木です。
そして建物上部の画像は、全部一つ一つ人の手で描かれています。
全体的には博物館を中心として、両側は清時代の酒館、清時代の酒作坊、中国の白酒文化の展示ホールになっており、理論と実践の統一を実現しています。
博物館の館内は、酒文化の展覧区と酒を作る展覧区に分けられています。
醸造工房展覧区は、酒の源流、酒規酒俗、酒具酒器、酒詩酒画、老龍口発展史、老産品陳列室など、六つの部門に分かれており、お酒の道具が40個以上、名人の書画が約50冊、19世紀から使われている老龍口酒の容器や、ラベルとトロフィーなどの物が300個以上展示されており、歴史文化遺産の「百年古井」「百年窖池」「百年古石磨盤」なども展示されています。
醸造工房展覧区は、当時の酒造方法や原料、道具も展示してあり、当時の酒造過程を再現しています。
また、工場内で掘り出された100年前の石臼も見る事ができます。
老龍口酒博物館は、瀋陽市内の交通の便のよい場所に位置していますので、中国のお酒文化等に興味ある方は、ぜひ観光に行ってみてはいかがでしょうか。
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